歯と健康
歯科医師として約50年間の経験から、皆さんに特に知って頂きたいことを下記に記します。お口の健康は身体全体の健康に大きく繋がっています。
■虫歯になってしまったら ---
最初の虫歯の治療は非常に大切です。
虫歯の具合にもよりますが、上手に治療することによって5年から20年保ちますし、歯が欠けてしまったときも早めに治療すれば神経を取ることなく10年から20年保ちます。最善の治療で自分の歯と長くつき合えます。虫歯になっても自分の歯をあきらめない。それが当院の治療方針でもあります。
■歯の治療と噛み合わせ ---
歯を抜いた後は早めにブリッジなどを入れて噛み合わせを整えます。噛み合わせが悪いと使われない歯の周辺の骨や筋肉の発達が悪くなり、顔が曲がったり、顎を動かすときに音や痛みがでる顎関節症等の病気に繋がります。
また、噛み合わせが悪いと食べ物をきちんと噛み砕くことができなくなるため、消化不良に繋がり、胃の調子悪くなったり、便秘になったりします。
長年歯科医師をやってきて、噛み合わせが悪い患者さんをたくさん診てきました。そういった患者さんは偏頭痛、肩や首のコリなどの痛みを訴える方が多いのです。特にお歳を召した方に多く共通しています。正しい治療は身体全体の健康に繋がります。
お父さん、お母さんに知ってもらいたい 『子供の歯並び』
乳歯から永久歯に生え替わる時期は、特に適切なケアが必要です。
■歯並びが悪くなる原因 ---
1)乳歯を早く抜いたとき
虫歯等により本来の永久歯との交換時期よりも早く乳歯を抜くと、隣の歯が寄ってきて永久歯が生える空間がなくなってしまいます。さらに周辺の骨などの発達が遅れてしまい、そこに永久歯が生えてくるため歯並びが悪くなります。そのような場合は、暫定義歯を入れて顎の発達を促す必要があります。
2)永久歯の治療でよく噛めない
治療時に噛み合わせの調整が正しくされていても、詰め物が咬耗(こうもう)して、正しい噛み合わせができなくなることもあります。その結果、顎の発育バランスが崩れ歯並びが悪くなることに繋がります。
保護者のサポートにより、お子様のお口の発育トラブルを未然に防ぐことも可能なのです。虫歯が無いからと安心せずに、定期的に医師に相談してみてください。